α-ケンタウリ星通信

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『BEATLESS』(長谷敏司)

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 その笑顔を僕は信じる。君に魂がなかったとしても――。

 人型のロボットhumanoid Interface Elements、通称hIEが普及し人間の生活の大部分をhIEが支えている世界。高校生の遠藤アラトはある日"レイシア"と名乗る一体のhIEと出会い、その言葉を信じてオーナーになる。しかしレイシアは、そのあまりに強大な性能ゆえ厳重に管理されている超高度AIが産み出した≪人類未到産物≫(レッドボックス)だった。レイシアとともに暮らし、人間を超える知能の存在との関係を考えるようになったアラトの前に、レイシア同様≪人類未到産物≫であるアンドロイドたちが現れ、レイシアと争い始め、人類を脅かす大災害へと発展していく。その果てに、人類がhIEとの関係に見たものとは?すべては、少年の選択に委ねられた。

 

 今回は趣向を変え、自分であらすじを書いてみました。この『BEATLESS』ですが、人と、人にとてもよく似たモノとの新たな関係性を探る、素晴らしい小説でした。設定はありふれているし、話の展開もいわゆるライトノベルっぽさが色濃いですが、このような、科学技術で変わっていく人の世界を描く小説、これこそをSFというのだな、と僕は思いました。

 この小説のラストは、ある側からみればhIEに人間が支配されることを許したディストピアとも言えるし、一方でhIEと人間が共生のため歩み寄ったハッピーエンドだとも言えます。どちらだと考えるか、それはこの小説の主人公アラトのような人かどうかによるのかもしれません。

 さて、果たして僕らはそのどちらでしょうか?

 僕は、そしてあなたは、魂のない少女の笑顔を信じることができるでしょうか?

 などなど、考えさせられますね。

 

 

 


BEATLESS (livetune) - Dreaming Shout feat. NIRGILIS

(アニメ化したらレイシアがモデルの仕事で東京を大規模アナログハックする場面で流れるとすごいよさそう……)