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α-ケンタウリ星通信

α-ケンタウリ星からお送りしています。

『未來のイヴ』(ヴィリエ・ド・リラダン)

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 『屍者の帝国』に出てくる「ハダリー」の元ネタがこれらしいので読みました。まず歴史的仮名遣いなので少し読みづらい。また、言葉自体も古めかしく、すぐには意味のわからないものが多く、それもきつい。しかし、それは逆に、この小説がとてつもなく昔に、人造人間(現代ではアンドロイドと呼ばれるのが普通ですが)と人間の関係性について描いていたということを示してもいます。1886年に書かれたというから、驚きです(よく考えると、『屍者の帝国』の舞台は19世紀末であったから、それはそうか)。

 この小説のすごいのは、異常なくらい緻密な人造人間ハダリーの構造の説明で、一部読み飛ばしてしまいましたが、著者は機械工作が趣味だったようです。

 また、エジソンのキャラもよかったです。科学に従事しているが、盲信はせず、科学に縛られてはならないことがあることをわかっているという感じの人物(実際のエジソンがどんなかは知りませんが)。

 最終的に主人公がエジソンのつくったアンドロイドを愛し、二人は幸せに暮らしましたとさ……で終わらず、意外にも(?)バッドエンドだったのにも驚きましたね。なぜこのように物語を終わらせることにしたんでしょうか?

 アンドロイドと愛し合うというと、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、あるいは『ブレードランナー』を思い出します。まさにこの小説は、これらアンドロイド小説の原点だと言えるでしょう。