α-ケンタウリ星通信

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『後藤さんのこと』(円城塔)

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 みなさんどうも。ところでいつも思うのは、ブログを書く奴ってのはどうしてこんなにはじめに挨拶をしたがるんだろうかということです。わりと頻繁に更新してるやつだってなんでか毎回律儀に挨拶をしたがる。どうでもいいですか、どうでもいいですね。『後藤さんのこと』を読んだので、さも熟年ブロガーのごとく当然のように感想を垂れ流していきたいと思います。

 全体的に、よくわからないがおもしろいという結局いつも円城作品を読んで出る感想になってしまいます。短編集なので一編ずつ書いていきますか。

 

『後藤さんのこと』

 正直言ってよくわからなかった。まあこの作家の作品を読むと頻繁に抱く感想ですけどね。なによりも特筆すべきは色のついた文字がある、ということでしょう。例えばこんな風にね。そんな小説僕はみたことがないんですが、ほかにないんじゃないんでしょうかね。この色の表現でだいぶわけがわからないです。最初は色のついたところだけで独立した話になっているのではなどと考えたりもしましたが、勘違いでしたね。 深く考えるのはスルー。

さて、簡単なあらすじ。どうやら波動であると同時に粒子でもあるらしい「後藤さん」なる存在についてのいろんなエピソード。

結局後藤さんの正体だとか、そういうんじゃなくてそれをめぐる混乱が楽しかった。個人的に後藤さんが月曜は粒子、火水は縦波、木金は横波、土日は会社休みだからわからんというのがツボにはまりました。サラリーマンなんだよ、後藤さん。

 

『さかしま』

 最初の「README」で爆笑しました。が、わけわからん。僕には何も言えない。この方の考察が面白かったのでみてみてください。↓

d.hatena.ne.jp

さかしまってわけわからんことで有名な本のタイトルで、この小説はそのパロディだったのかな。

 

『考速』

 これもわけわからん。光速とかけている、うん。思考する速度が光速を上回れば云々・・・いや、違うか。そういえばSFマガジン4月号でそんな感じの短編載せてたな。途中挟まれる詩(?)とダジャレ(?)で頭がくらくらする。

 

『The History of the Deciline and Fall of the Galactic Enpire』 

 99の短文で紡がれていく、銀河帝国(自称)興亡史。これはもはやツイートの形式かよ。笑ってしまったやつをいくつか抜粋。

01:銀河帝国の誇る人気メニューは揚げパンである。これを以て銀河帝国三年四組は銀河帝国一年二組を制圧した。

 

02:銀河帝国の誇る人気メニューはソフト麺である。出汁派によるカレー派の粛清が滅亡を促進したとの見解がある。

 

09:銀河帝国にまつわる七つの噂があるという噂がある。そういう噂はないという噂もある。

 

30:偽銀河帝国の髭は黒い。

 

70:先輩の第二銀河帝国が欲しいのです。

 

84:燃える銀河帝国は火曜日と金曜日、燃えない銀河帝国と資源銀河帝国は木曜日、大型銀河帝国は別途申し込みが必要。

 

ガベージコレクション

 間違っても提督の出番はない。お間違いなきよう。

ある系(計算過程)において、入力されたものが100%出力されるわけではないことは熱力学的に自明。その際に出るガベージ、ゴミデータの中に見いだされるもの、あるいは見出そうとする観測者、といったところ?これも難解。

 

『墓標天球』

 ガーイ・ミーツ・ボール?いやいや、ボーイ・ミーツ・ガール。あるいは、α・ミーツ・β ときどきγ。という感じです。これから出会うはずの少女とすでに出会っていること、あるいは、すでに出会った少女とこれから出会うということ。雑に言ってしまえば少年と少女の間で時間が逆行しており(正確には立方体の展開図のジグザグのやつの順番に)、それをすでに少年としての役目を終えた「私」が見守る。新しい形のボーイ・ミーツ・ガールです。自分の感想だけど見返すと意味が分からない…。

 

全体的に

 全体としては、正直他作品と比べると難解すぎていまいちおもしろくないな、という感じでした。まあSREとかが傑作すぎるんですけどね。『エピローグ』『プロローグ』の文庫化まだか~。